Tosin Abasi(トーシン・アバシ)のギタークリニックの感想とセトリや内容をまとめてみました!

アバシ!やばし!
ということで、Tosin Abasi(トーシン・アバシ)のギタークリニックに参加してきました。

LeqtiqueのNokinaさんが今年の1月に友人のトーシンを呼びます~みたいなツイートをされてて、
「おっ!これは楽しみ」
と思っていたら、Twitterでイケベ主催のギタークリニックの情報を発見!

速攻で申し込みをしました。
結果、当日の席は前から2列目と嬉しい結果に。

ということで今日は、間近で見てきたアバシプレイについてや、当日話があったアバシギターの拘り、裏話なんかを備忘録として残しておきたいと思います。

メモを取っていなかったので完全に記憶頼りで書いています。
もし、参加された方で間違いを発見された場合は(やさしく)ご指摘頂ければ幸いです。

ということで、早速まとめていきます!


アバシギターについて

当初のスタートよりも30分遅れてスタートしたアバシギタークリニック。
当日は司会の方と通訳、共立コーポレーションの人、それから友人ということでLeqtiqueのノキナさんもステージに登場。

セッティングが終わったらノキナさんから
「話しててもしょうがないから一曲弾いちゃおう」
ってことでTempting Time(またはThe Woven Webどっちか!)でスタート。

圧巻のギタープレイに、目が釘付けになっちゃいます。

ちなみに当日は、
・Tempting Time
・The Woven Web
・Kascade
・New Songs – Cognitive Contortions
・cafo
を演奏してくれました(最後のcafo以外は順番を失念しました汗)

一通り演奏を終えたところで、アバシギターについてのコンセプトや魅力を本人が解説していきます。
以下にアバシギターのポイントをまとめてみました。

アバシギターのポイント

◆低音がタイトに響くようにスケールを意識している。
◆低音弦側のスケールは低音の響きを活かすために長く、高音弦は6弦ギターのようなテンションにするためにファンフレットを採用している。
◆ボディ材はローステッドバスウッド。ネックはウェンジを採用。
◆通常低音弦を鳴らすギターはバリトンギター等があるが、スケールやギター自体が長くなってしまう。アバシギターはネック部分のジョイントを深くすることで、ギター全体の長さが短く、持った時の目線の下に12Fがくるようになっている。
◆Ibanesで出していた8弦ギターはネック幅が太く本人も弾きづらかった。アバシギターでは各弦の間を少しずつ狭くして弾きやすくしている。
◆独特なボディ形状は、通常のロックスタイルで持つ時でも、椅子に座って弾くスパニッシュギターを抱えるような形でも太腿にフィットするためのデザインになっている。
◆フィッシュマンのアバシシグネイチャーモデルのピックアップは、48層のPCB基盤を搭載していることで、通常のコイルを巻くタイプのピックアップのようなと違い、巻きによる違いが無いために個体差が存在しない。(ノキナさん曰くSuhrのV60とかいい音だけ個体差は存在してしまうと例に出していました)
◆ハムバッカーのサウンドもシングルコイルのサウンドも妥協が無い。
◆ピックアップに基盤が採用されていることで好きなプリセットができる。
◆ノキナさんの意見として、近年は昔のように木材が音に与える影響はピックアップの技術進歩で少なくなっていて、逆にピックアップの影響力が音の70%を占めると言っても過言じゃない。今回ローステッドのバスウッドが採用されたのはフルエンスピックアップとの相性が最大限に活かされるため。


当たり前かもしれませんが、本人のプレイスタイルやサウンドを極限まで活かす為のギターが作られた事が分かりました。

ボディ材については、ローステッドのバスウッドが採用されいます。
上記にも記載しましたが、現代においてはボディ材よりもピックアップの方が音に影響を与えているという観点で、フィッシュマンピックアップを活かすためとのこと。

一方でネック材のウェンジについては、やや高めな材ながらも直接手で触れる部分ということで手触りという部分と強度確保のために採用しているそうです。
ウェンジ材はアフリカで取れるという事で「俺みたい」というアバシジョークも飛び出していました。

それから、アバシ本人は派手な木目よりも落ち着いた木目が好きなんだそうですが、日本でアバシギターを展開していくにあたって、ノキナさんの提案でバールメイプルを採用したと話していました。

この辺りはビジネスマンのノキナさんらしいアプローチだと思いました。


ギタープレイについて

ギタープレイについてをまとめていきたいと思いますが、プレイを言葉で表現するのは難しいですね。
また覚えている範囲で実演してくれたテクニックを記載したいと思います。

◆タッピング

1.右手の指一本を2本、3本と増やしてみる。
※左手でコード(実演ではEM7)にプラスして指2本(人指しと中指)をタッピング&プリングしていた。

2.スケールやノートをなぞる

3.左手でコード(3トーン)を繰り返して、右手でルート(プラスもう1ノート)を移動していた。


これだけだと分かり辛いですよね。
他にもパターンがあって、全部で5、6パターン位実演してくれていたように思います。

また、タッピングについては、基本的に従来の同じ弦の中でハイポジションをタッピングするという奏法を発展させて最初はタッピングする音を2音にしてみたそうです。

コード+2音タッピングやスケールを弾きつつ人差し指、中指、薬指を使ったタッピングなどテクニカルなプレイは圧巻でしたね。

特にアルバムでも聞いたことのある、ソロをほぼ同じ感じで弾いてて言葉が出なかったです。
よく、ソロとかを覚えていられるなぁ~と関心しちゃいました。

◆スラップ

タッピングに続いては、個人的に一番興味深かったスラップについてです。
スラップについては質問コーナーで取り上げられた内容も記載しています。

最初に、スラップについては90度くらいに曲がるアバシ特有の親指がポイントかと思いきや、そこは関係ないとの言葉に少しホッとしました。

あの親指がポイントだとしたら、まずは親指を曲げるところからになっちゃいますからね。

次に、スラップを練習する時のポイントや実際に見ての手の動きなどをまとめてみました。


1.スラップする時は軽いタッチじゃなくて強めにダウンアップを繰り返す。
2.親指は固定して手首を回す。
3.人指し、中指で弾く時は肘を僅かに引くような感じだった。
4.練習は親指から。軽いタッチじゃなくて強めダウンアップで弾く。
5.親指だけから次は人差し指を足して三連符で。さらに中指を足して四連符。最後は薬指を足して五連符で弾いていました。


An Infinite Regressionのようにタッピング、親指でダウンアップ、人差し指、中指という六連符を弾いているのは動画などで見たことがありましたが、薬指まで使っていたのは驚きでした。

また、基本になる親指については、指を固定して強めに弾いて練習するのがポイントだそう。
実際に、自分が練習していた時は軽めにアタックしていた方がスムーズでしたが、最初は強めというのを聞いて早速強めに弾く練習を始めてみました。

その他にも、演奏中のスラップの動きを見ていると、人差し指、中指で弾く時は、少し肘を引いてるようでした。

Cognitive Contortionsを実演している時も、4連符のスラップミュートのような部分では、人差し指、中指の時に肘を僅かに引いて、親指でダウンアップする時は肘の位置を戻す(僅かに肘を入れる)ような感じです。
腕全体で弾くというと大げさですが、指や手首だけという感じでも無さそうでした。

それにしても、手元だけを見ていると親指のダウンアップは動いているのが分かるのですが、人差し指、中指の時は何もしてなさそうな感じですが、横で見ていたノキナさんはめっちゃ動いていると話していました。

更に低音弦側ならまだ弾けても3弦、4弦の細い弦になるとより難しく、アルペジオのようにサラサラっと弾いちゃうアバシやばしです。

でも、参加された方はきっと生で見て刺激を受けてシコシコと練習されるんだと思います。
自分も頑張ろうと思いました。


質問コーナー

最後はチケット購入時のアンケートにあった質問に答えるというコーナーになりました。

司会の方が一番多かった質問はスラップの練習についてと話していました。
回答については前述のスラップの所で書いた内容になります。

◆作曲やフレーズはどう作る?

これは同じ質問された方もいたのだと思いますが、自分もアニマルアズリーダズの曲やフレーズなど、独特かつ綺麗なメロディーなどはどうやって思いつくのかが気になっていました。

これに対してアバシの回答は、
「新しいスケールや奏法、更には自分で考案した奏法からフレーズや曲ができる」
というものでした。

個人的にノキナさんと親交があるので、愛車のフェラーリに乗ったりしている時や何処かロケーションの良い所に行ってインスピレーションを得ているって感じの回答かと思っていましたが、まさか練習や新しい奏法などを見つけたところからとは考えてもいませんでした。

練習の鬼っていう感じが伝わってきますね。

◆一番難しい曲は?

次の質問は、自分の作った曲で一番難しいものは?という質問。

これに対してアバシは少し考えた後、
「全部」
と、答えていました。

確かに簡単そうな曲は一曲もないですもんね(汗)

ちなみに、ノキナさんからは「Davidは?」(Weightlessの最後の曲)と聞かれていました。
アバシは音の強弱や間が重要な曲と答えていました。

ただ、ノキナさんはいつもアバシは「この曲難しいよ!」とボヤいていた事を暴露(笑)
笑いを誘っていました。


このほかに、影響を受けたギタリストとして、イングヴェイ・マルムスティーン、スティーヴ・ヴァイなどの速弾き系のギタリストや、ジャズギタリストや、カントリー系(?)のグレッグ・コッホの名前を挙げていました。

もっと、言っていたんですけど、全然覚えていませんです・・・。


クリニックに参加してみて

今回憧れのトーシン・アバシのギタークリニックに参加してみて思ったのは、世界の第一線で活躍している人のギターへの情熱は想像以上のものでした。
でも、気負うわけでもなく、アバシ本人は自然体でリラックスした様子でした。

時折混ぜる日本語が面白くて、見ている自分もリラックスして見ることができました。

◆印象に残ったアバシ!

友人のノキナさんが普段我々が見ることのないアバシについて話してくれていたのが印象的で、特にいっつもYoutubeを見ていることを教えてくれました。

ただ、驚くべきはアバシはマイナーだけど気になったギタープレイヤーを見つけたら、レッスンを受けるそう。

常にギターのプレイを研究してて、あれだけ弾けるにも関わらずまだまだ追求をやめていない。
ノキナさんの「それだけ真剣なんだよね」っていう言葉が身に沁みました。

◆クリニックでのその他

・弟さんは服飾デザイナー
・好きなスーツは日本人のデザイナーの服が好き
・モテるためにオシャレが大切
・ピックアップセレクターのノブがどこかに行く→ノキナさんが展示ギターから拝借
・iPhoneでオケを再生していた。ノキナさんがオケの音量調整をしていた。

クリニック後は展示していたギター(クリニックで弾いていたアバシギターもイケベさん所有のギターでした)の試奏会が行われました。

当日ギターやL’のKigen(エフェクター)、フィッシュマンのピックアップを購入した人は、サインやツーショットでの写真撮影ができる特典がありました。
自分は残念ながら次の用事があり、早々に会場を後にしました。

帰り際にノキナさんもフロアにいらっしゃって一声と思いましたが、ちょいと遅れ気味でしたので泣く泣く駅へ向かうことに。。。

一度、お話をしてみたいですね~。

後、アバシの名前はトーシンなのかトシンなのか。
ノキナさんは「トーシンは~」と言っていたので、英語だと「トーシン」になるのかな?

ポスターには「トシン・アバシ」ってなっていました。
人の名前だけに呼び方は気になりますね。

今回はアバシ(敬称略)とさせて頂いています。


ということで、まとまりのない完全に私の備忘録となりましたが、感想やクリニックの模様を書かせて頂きました。

イケベさんの公式アカウントで後日、当日の模様をアップするとのことでしたので、そちらも楽しみです。

多弦ギター(恐らく7弦)を買う時はアバシギターにする事と、次はアニマルアズリーダズのライブに参加しようと心に決めました。